タイEECとディズニーランド計画:パタヤ近郊の新たな挑戦

2026年1月、タイ政府は東部経済回廊(EEC)にディズニーランドを誘致する構想を発表しました。EECはバンコク東方の県に広がる巨大開発で、高速鉄道や航空都市、スマートシティ建設を進めています。この計画に世界的テーマパークを呼び込むことで観光と地域経済の再生を図る狙いがあります。
※東部経済回廊がわからない方はリンクの記事を読んでいただけますと幸いです!

計画の概要

副首相兼運輸大臣のピパット氏は、ディズニーランドが年間を通じて観光客を呼ぶ「旗艦施設」になると述べ、三空港高速鉄道計画の利用促進にも役立つと強調しています。敷地規模は140〜480ヘクタール程度が想定され、周辺にはスタジアムや商業施設を併設した複合施設も計画されています。投資方式はディズニー社の直接投資と、ライセンスを購入してタイ企業が運営する方式の両案が検討されています。ディズニー社の規定でカジノ開設は禁じられており、政府は娯楽とスポーツ中心の開発に舵を切りました。

ディズニーランドは「パタヤ市内」にできるの?

結論から言うと、パタヤ市内にディズニーランドが建設される可能性は極めて低いと考えられます。

今回報じられているディズニーランド構想は、あくまで東部経済回廊(EEC)全体の国家プロジェクトの一部であり、候補地として想定されているのは、パタヤ中心部ではなく、ウタパオ空港周辺を核とした新都市エリアです。

理由はシンプルで、ディズニーランド級のテーマパークには、

  • 数百ヘクタール規模の用地
  • 周辺インフラ(高速鉄道・幹線道路・大規模駐車場)
  • 騒音・交通量に耐えられる都市計画

が不可欠だからです。
ビーチリゾートとして発展してきたパタヤ市内には、物理的にも都市計画的にも、その余地がありません

一方で誤解しやすいのが、「パタヤと無関係なのか?」という点ですが、これはまったく逆です。
距離感としては、パタヤ市内から車で30〜45分圏内。高速鉄道やフィーダー交通(モノレール等)が整備されれば、実質的には“パタヤ圏の大型観光施設”という位置づけになります。

東京ディズニーランドが「東京」ではなく浦安にありながら、東京全体の観光価値を引き上げたのと同じ構造が、パタヤ周辺でも起こる可能性があります。


高速鉄道の停滞とリスク

三空港を結ぶ高速鉄道は2019年に契約が結ばれましたが、資金調達難やパンデミックの影響で進捗がほとんど無く、2025年時点でも着工していません。政権交代に伴う契約見直しで修正案が撤回されるなど、先行きは不透明です。鉄道が開通しなければテーマパークへのアクセスが確保できず、計画全体の採算性が揺らぐ恐れがあります。


不動産・ホテル市場への影響は?(パタヤ視点で見るリアル)

ディズニーランド構想が実現した場合、最も影響を受けるのは「テーマパーク建設地」そのものではなく、既存の成熟都市であるパタヤです。
ここでは、特に重要な3つの視点から整理します。


コンドミニアム価格への影響

まず、中長期的にはプラス要因と見るのが妥当です。

理由は、ディズニーランド単体ではなく、

  • 高速鉄道(バンコク〜ウタパオ)
  • 新都市EECiti開発
  • 国際イベント対応のスポーツ・エンタメ施設

同時進行で進む構想だからです。

このような大型インフラが進むと、

  • 通勤・通学圏の拡大
  • 駐在員・外資系企業関係者の流入
  • 長期滞在者(家族帯同)の増加

が起こりやすく、「投資用コンド」だけでなく「実需系コンド」の需要が増えます。

特に恩恵を受けやすいのは、

  • BTS・幹線道路アクセスが良いエリア
  • 中価格帯(実需+投資の中間)
  • 家族向け間取り(1+1、2ベッド以上)

で、短期的な投機というより、緩やかな底上げ型の価格上昇が想定されます。


ホテル稼働率への影響

ホテル市場への影響は、かなり分かりやすくプラスです。

ディズニーランドができると、観光客の動きは次のようになります。

  • テーマパーク周辺:日中滞在・イベント参加
  • 夜・連泊:既存リゾート都市に滞在

新都市エリアは、開業初期はホテル供給が限られるため、

  • ナイトライフ
  • ビーチ
  • レストラン・ショッピング

が揃うパタヤが「宿泊拠点」として選ばれやすくなります。

これはすでに、

  • 上海ディズニー × 上海市内
  • 東京ディズニーランド × 東京23区

で起きている現象と同じです。

結果として、

  • 平日の稼働率改善
  • 雨季・閑散期の底上げ
  • ファミリー層・中間層の増加

が期待でき、通年型のホテル経営に近づいていきます。


長期滞在需要への影響(意外と重要)

見落とされがちですが、実は最も大きな変化を生むのが長期滞在需要です。

ディズニーランド+新都市+高速鉄道が揃うと、

  • 外資系企業の駐在員
  • 国際学校に通う子どもを持つ家族
  • 半リタイア層・富裕層

といった「短期観光ではない層」が増えます。

この層は、

  • コンドミニアム長期賃貸
  • サービスアパート
  • 医療・教育・生活インフラ

を重視するため、パタヤの都市機能そのものの価値を引き上げる存在になります。

つまり、ディズニーランド構想は
「観光ブーム」ではなく、
パタヤを“滞在型都市”に近づける要因とも言えます。

結び

ディズニーランド誘致はEECの象徴的なプロジェクトであり、高速鉄道やスマートシティ開発を加速する起爆剤と期待されています。課題は多いものの、実現すればパタヤ圏やタイ東部の観光と経済に大きなインパクトをもたらすでしょう。今後の交渉とインフラ整備の進展を注視しながら、この計画の行方に期待したいところです。

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