
タイ入国の“今”に追いつくために──Thailand Digital Arrival Card(TDAC)を分かりやすく解説します。
実はつい先日、お客様から「タイ旅行のときにTDACの登録が必要だと知らず、空港で大変だった」というお話を伺いました。同じ困りごとを少しでも減らしたいという思いで、この記事を書いています。
結論から言うと、現在は入国前にTDACのオンライン登録が必須(ビザとは別)。到着の72時間以内に申請して、届いたQRコードを入国時に提示するだけで手続きがスムーズになります。登録自体は無料ですが、偽サイトの“代行料”や日本語入力によるエラーには要注意。
このガイドでは、だれが対象か/いつまでに何をするか/入力のコツ/修正できる・できない項目/免除ケース/よくあるトラブル回避まで、旅行者目線でコンパクトにまとめました。これからタイへ行く方は、出発前のチェックリストとしてブックマークしておいてください。
TDACとは?
機内で紙のTM6入国カードを書いていた時代は、もう過去のもの。TDAC(Thailand Digital Arrival Card)は、それを完全に置き換えるオンラインの入国カードです。旅行者は到着の72時間(3日)以内に公式サイトで必要事項を入力し、メールで届くQRコードを入国審査で提示します。これだけで、到着後の手続きがぐっとスムーズになります。
入力内容は、パスポート情報や基本のプロフィール、渡航目的や到着便名、滞在先住所、そして直近2週間の訪問国といった健康関連の申告まで。画面は日本語表示に対応していますが、記入は英語(ローマ字)がルールです。所要時間は目安で5〜10分。家族旅行なら代表者がまとめて申請でき、発行されたQRコードをスマホ表示でも印刷でも提示可能です。
TDAC導入の背景には、急増する訪タイ客に合わせて、入国審査の待ち時間を短縮し、紙の削減やデータの正確性向上を図るねらいがあります。旅行者にとっては「列が進む」「書き損じがない」「事前に落ち着いて準備できる」という実利が大きく、現地当局にとっても国境管理や公衆衛生の把握が効率的に。
なお、TDACはビザの代わりではありません。ビザ免除の方も、ビザを持っている方も別途TDACの提出が必要です。また、手続きは無料。公式ドメイン(*.go.th)以外の“代行サイト”が手数料を請求するケースがあるため、登録先のURLには必ず注意してください。旅行の“第一歩”をオンラインで整える——それがTDACです。
だれが免除?だれが必要?
提出が不要(免除)
- トランジットで入国審査を通過しない場合。
- **ボーダーパス(国境通行証)**での入国。
- 航空・船舶クルー(乗務員)。
※外交旅券所持者も非タイ国籍なら提出が必要と公式FAQが明記しています。ここは誤解が出やすいのでご注意ください。tdac.immigration.go.th
いつ・どこで・どうやって?(3分でわかる手順)
- 公式サイトにアクセス →「Arrival Card」を選択。
- 個人情報(パスポート等)→ 旅程・宿泊情報 → 健康申告の順に入力。
- メールアドレスを入力して送信、QRコード付きバウチャーを受領。
- 入国審査でパスポート+QRを提示。
グループ申請
代表者が最大10名までまとめて入力可能(家族やツアー等)。
空港キオスク
**5空港(BKK/DMK/HKT/CNX/HDY)**に案内端末あり。Wi-Fiが使え、キオスクのQRを撮影して提示も可能です。
事前に準備するもの(チェックリスト)
- パスポート情報/顔写真ページのMRZ(読み取り可)
- 到着日・便名(または車両/船舶番号)
- 滞在先住所(ホテル名・県・地区など)
- 渡航目的(観光・ビジネス等)
- 過去2週間の訪問国(健康申告)
- 受信用のメールアドレス(QR送付先)
修正できる/できない情報
- 更新可能:旅程や宿泊先などは入国前まで「Update Arrival Card」で更新可。最新の申請が有効。
- 更新不可:氏名・国籍/市民権・生年月日は編集不可。誤入力時は新規で再提出してください。
料金と詐欺サイトに注意
- TDACの提出は無料。手数料はかかりません
- 偽サイトが10米ドル前後の手数料を請求する事例が報じられています。必ず公式ドメイン(*.go.th)を使用しましょう。バンコクポスト
トラブル対処のヒント
- エラーが出たら再読込/通信状態の確認。429やUnknown Errorの案内あり。
- 印刷は任意ですが、紙の控えがあると安心。
- 未提出や虚偽申告は審査遅延や入国拒否の裁量対象に。
関連トピック(2025年の最新状況)
- 観光税(300バーツ):導入は2026年に延期との報道。
- ETA(電子渡航認証):TDAC優先で導入延期の報道が続く。
- ビザなし滞在:93カ国が最長60日(+延長30日可)。30日への短縮は検討の報道はあるが、現時点で公式決定なし。
よくある質問(FAQ)
Q. 子どもや乳幼児も必要?
A. 全員必要です。
Q. 到着前「少なくとも3日前」ではなく?
A. 公式は到着日を含む72時間以内に提出と明記。早すぎる提出は不可。
Q. 団体旅行でまとめて申請は?
A. 1申請につき最大10名まで可。
Q. 紙のTM6はもう不要?
A. TDACで置き換え。
旅前の“3つのコツ”
- 72時間の提出ウィンドウをアラーム管理。
- **英語(ローマ字)**で入力(日本語は無効)。
- 宿泊先住所は正確に(県・地区・郵便番号)。後からの変更はUpdateで反映。
まとめ
- 非タイ国籍者はTDAC必須、到着72時間以内にオンライン提出。
- QRコード提示で時短入国、家族は10名まで一括申請可。
- 無料なので、偽サイトの“代行手数料”に注意。
- 旅前にパスポート・便名・ホテル住所・過去14日間の訪問国を用意しておくと数分で完了します。
参考(公式・公的情報)
- タイ入国管理局 TDAC 公式マニュアル/FAQ(提出要件・72時間・編集可否・言語など)tdac.immigration.go.th+1
- 観光税延期の報道(2026年へ)euronews
- ETA延期およびTDAC無料の報道まとめ(Condé Nast Traveler 他)Condé Nast Traveler
- **ビザ免除60日(93カ国)**の公式発表(TAT/在外公館)TAT Newsroomสถานกงสุลใหญ่ ณ นครลอสแอนเจลิส
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